則天去私(そくてんきょし)

則天去私
(そくてんきょし)

by 日本の小説家:夏目 漱石(なつめ そうせき)

則天去私(そくてんきょし)の意味

小さな私にとらわれず、
身を天地自然にゆだねて生きて行くこと。

 

好きな言葉や名言に関する感想や体験

私は20代後半の
夏目漱石が大好きな男です。

漱石の名言に
則天去私」があります。

天の法則に則り私情を捨てる、
という意味で、
漱石の晩年の文学・人生観を貫いた思想です。

漱石の初期の代表作『吾輩は猫である』は
漱石自身の金力・権力への激しい怒りが叩きつけられており、
その意味で私情によって社会(天の法則)を歪めていると言えます。

坊ちゃん』でも
田舎の俗物教師を成敗するという
勧善懲悪が色濃く出てしまいました。

野分』『虞美人草』で漱石は
金力・権力への批判意識を極点まで徹底します。

徹底した結果
「見事に失敗した」と『野分』の中で明記し、
虞美人草』は富と美貌に奢れる
軽薄なヒロインを正義感に依って破滅させてしまいます。

虞美人草』の勧善懲悪的な終わり方は
批評家たちの厳しい批判を集めました。

やがて漱石は批判意識を金力・権力ではなく自分自身に向け、
後期三部作によって
徹底した自己解剖を試み
周囲から心配されるほどの苦悩を経験します。

そうした苦悩を経て著した
道草』は
これまでの荒々しい私情が消え、
社会への広い視野と認識が深まり、
様々な人物を実に魅力的に瑞々しく描いています。

大作『明暗』は
未完に終わりましたが
則天去私』の思想に到達した
漱石の青年達への熱い希望が脈打ち、
読む者に深い感銘を呼び起こします。

沖縄県在住:20代後半男性

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日本の小説家:夏目 漱石(なつめ そうせき)とは

本名は、「夏目 金之助(なつめ きんのすけ)」。
1867年2月9日
夏目小兵衛直克、千枝の末子の
5男3女の5男として生まれた
日本の小説家、評論家、英文学者。

現代日本語を築き上げた人物の一人でもあり、
司馬遼太郎は漱石の文体を
「恋愛から難しい論文まで書くことの出来る万能の文体」
といった評価をしている。

代表作品として、

吾輩は猫である
坊っちゃん
草枕
三四郎
それから

行人
こゝろ
明暗

などがある。